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版画家、神崎智子による個展「Mimeographer」開催!和な味わいの世界 (10/16~28)

10月16日(金)より、版画家、神崎智子氏による個展「Mimeographer」が GALLERY SPEAK FOR にて開催される。

器や盆栽などの静物をモチーフにして、細やかな味わいの版画作品を制作し続けている神﨑氏。彼女の絵はほぼ全てが「謄写版」を使った版画。ろう引きの原紙に鉄筆で文字や簡単な線画を印し、インキを滲ませて紙に刷る、いわゆるガリ版を用いた印刷技法は、現在ではほとんど使われなくなった遺産的技術だが、神﨑氏はその特性に美術の領域から着目して駆使し、複雑な表現の可能性を示し続けている稀少なアーティストとして知られている。

食器やハサミなど身近な事物に向けられる醒めた視線と、謄写版というローテクによって淡い残像を得る表現は、アクリル画やCGなどとは比べようもなく素朴である。しかしそのことによって、写生的に題材と対峙する短詩文学に近い美意識が醸し出されている。さらに、盆栽や庭園など和の美、人工的自然の宇宙を感じさせるモチーフと、日本で確立され特に広く普及した歴史を持つ謄写版技法との融合は、新型の和様絵画として捉えることもできるだろう。

本展は、彼女が作家活動を始めて10年目となる今年、これまでのアーカイブをほぼ全て一望できるよう企画された。「謄写版(Mimeograph)で絵を作る者」をイメージした造語がタイトルに。学生時代のポリマー版画作品から、謄写版に移っての多様な作品まで、神﨑氏の創作の深化と変遷を辿れる内容となっている。30号程度の大作やポストカードサイズの小品など、約50点が展示・販売され、オリジナルトートバッグやエプロン、スケジュール帳などの雑貨類も紹介・販売予定だ。

【ギャラリートーク】
2015年10月16日(金) 18:30 ~ 19:00
作品解説=神﨑智子 
聞き手=伊藤ナツキ(イラストレーター) 

【PROFILE】
神﨑智子(かんざきともこ)
版画家。1983年、大阪府生まれ。2006年、京都精華大学芸術学部版画専攻を卒業後、本格的に創作活動を開始。謄写版を用いた版画制作をメインに、国内外で作品を発表している。最近の個展に「Blue and White」(2013年、大阪・アートカクテル)。2013年、和歌山県立近代美術館「謄写版の冒険」への出展他、グループ展への参加多数。「技術ピックアップ講座 謄写版」(2015年、町田市立国際版画美術館)にて講師を務めるなどワークショップを各地で開催している。 http://print.pepper.jp/

神﨑智子「Mimeographer」
会期 : 10月16日(金)~28日(水)
時間 : 11:00~19:00 最終日のみ18:00まで
木曜休廊
GALLERY SPEAKFOR
〒150-0033
東京都渋谷区猿楽町28-2 SPEAKFOR 2F  
03-5459-6385
http://www.galleryspeakfor.com/

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