アニエスベーがサポートするタラ号がサンゴ礁プロジェクトを経て日本に寄港
フランスの海洋調査スクーナー船タラ号は、昨年日本に来航した後、2017年から2018年にかけての太平洋のサンゴ礁を研究するプロジェクトのために生物多様性が豊かなコーラルトライアングルと称されるソロモン諸島での研究を続け、1年間で10カ国を訪れました。そして、フランスのロリアンに帰港する前の2018年5月に日本に再来航し、5月16日に記者会見とパーティーがタラ号の船上で開催されました。
イベントでは、アニエスベーのCEOであるエティエンヌ・ブルゴワ氏がご挨拶され、アニエス・ベーの甥でタラ財団事務局長のロマン・トゥルブレ氏によるプレゼンテーションが行われました。
タラ号は、アニエスベーの創業者でミューズでもあるアニエス・トゥルブレ氏と1986年からアニエスベー・グループの社長を務めるエティエンヌ・ブルゴワ氏の親子が15年前に「環境のための活動をしたい」との想いから購入。アニエスベーがメインスポンサーとして15年にわたりサポートしています。アニエスベーが設立したタラ財団による活動は、世界中の海が直面する環境的脅威や気候の変化による影響を調査するため、科学者や研究者を乗せて「タラ号北極プロジェクト」、「タラ号海洋プロジェクト」、「タラ号地中海プロジェクト」などの重要な探査プロジェクトを行ってきました。
タラ号は、これまでに世界40カ国、350,000kmを航海し、35,000個のプランクトンを発見しました。船長をはじめ船員、シェフやエンジニアなどの6人のクルーと、7人の科学者や研究者、ジャーナリスト、アーティストを乗せて世界の海を航海し、多くのサンプルを収集に成功しています。クルーは半年に1回、アーティストは1カ月に1回の期間船で過ごした後、飛行機がクルーを迎えにきてメンバーを交代しています。プランクトンは小さくて目には見えない微生物ですが、どこの海からも漂流するプラスチックが見つかり、特に東南アジアでは甚大なプラスチック汚染を観測したとのこと。
「タラ号海洋プロジェクト」で採取したプランクトンの標本サンプル数は35,000個で、雑誌サイエンスの表紙もかざりました。科学者や研究者だけでなく、アーティストを乗せているのはタラ号ならではの、他とは異なる発信や表現をするためです。
ロマン・トゥルブレ氏は、「アニエスベーでは、プラスチック袋のかわりに紙袋を配布しています。プラスチックバックは、世界の国々でも法律で使用を禁止されています。小さなプラスチックの破片や、ストローなどの大きさでも形がなくなるまで100年以上もかかります。日本ほど使い捨てのゴミの分別している国はありませんが、過剰包装で幾重にもプラスチック包装を使用しています。リサイクル率は以前よりは増えていますが、多く使って多く捨てるということに矛盾を感じています。東京では、来るべき2020年に東京オリンピックを迎えますが、皆さんの力でプラスチックフリーの東京オリンピックに挑戦してみませんか?。私達が日常でプラスチックフリーを心掛け、プラスチックの使用を控えることで、二世代で海のプラスチックはなくなります。数百年後の地球からプラスチック汚染をなくすために、皆さんも今行動をおこしましょう。」と、熱く使い捨てプラスチックの廃止を呼びかけました。
地球や海を救うために、誰でも今からできることがあります。車の代わりに自転車、電車、徒歩で移動する。ゴミの分別を徹底し、ゴミやプラスチックのポイ捨てをやめる。節水や節電に気をつけるなど。皆さんも、この機会に身近な家族や友達と話し合いを設けて、未来の地球のために何が出来るのかを考えましょう。
タラ号公式HP
http://jp.oceans.taraexpeditions.org