スイス人のインダストリアルデザイナー、カルロ・クロパット氏の展覧会「美の行為 ― 装飾:自然と調和した存在の象徴」が渋谷の(PLACE) by method で開催(12/3まで)
クロパット氏が2023年1月から3月の3か月間のクリエイティブ・レジデンシ―有田滞在時に、有田焼窯元の李荘窯との密接な共同作業で制作した作品コレクション展です。
また、クロパット氏の有田での取り組みは山口浩平監督により記録され、今回ドキュメンタリー作品「ARITA – In a land of Terra 焦がれた地で」として完成しました。
クロパット氏は縄文時代からポップカルチャーに至る日本の工芸品を考察し、シンボルの起源や意味、機能について掘り下げます。特に螺旋とその多様な解釈に焦点を当て、鑑賞者を自然と非物質的な世界との再会へと誘います。
エコロジカルな(自然と調和する)行動の原動力としての装飾の価値を示すことで、この展覧会は環境の持続可能性に関する考察を促します。クロパット氏は、人間も含めた生物は限られた生物資源を持つ地球の自然な生命システムの不可欠な一部であることを、鑑賞者に再認識させたいと願っています。
先日開催されたオープニングイベントには、展覧会を主催する在日スイス大使館からアンドレアス・バウム駐日スイス大使と、クロパット氏が来場されました。皆さんもクロパット氏の展覧会に足をはこんでみては。
■カルロ・クロパット(Carlo Clopath)
スイスのインダストリアルデザイナー。アルプス山脈にあるアトリエで、主にヨーロッパ、日本、北米の職人、国際的なメーカー、研究機関との共同で日常品を主に制作。伝統と革新が調和する穏やかで明白、親しみやすい作品を特徴とする。制作中は素材、工程、品質を限界まで良いものとするために、アイデア、素材、技術(テクノロジー)の検討・試作を数えきれないほど繰り返す。
ECAL/ローザンヌ美術大学で精密さと革新性に基づいた教育(スイスの伝統)を受ける。また、コペンハーゲンのセシリエ・マンズの下で、職人技と流動的な線描に基づいたスカンジナビアの手法を体験(2012-2013)。さらに、コペンハーゲンのStatens Værksteder for Kunst(デンマーク・アート・ワークショップ)でのレジデンス。その後、初のソロプロジェクトとして木、磁器、漆でできたキッチン用品のシリーズを発表。それ以降、日本の職人・製造業者とのプロジェクトを多く進める。コペンハーゲンのDesignmuseum Danmark(デンマーク)、ミラノサローネ(イタリア)、SHOWCASE(日本)などで作品を展示。最近では、ボルグマン&クロパットの木製家具コレクションでスイスデザインアワード2023(2023年6月)を受賞。カルロ・クロパットがデザインした、株式会社セキサカ(本社・福井)の新しい食器コレクション「SARO」は、2023年6月に発売され、グッドデザイン賞2023を受賞。
■李荘窯業所
有田焼を代表する窯元のひとつ。4代目当主の寺内信二が率いる。デザイン性と高い技術力に定評があり、有名シェフやレストランとのコラボレーションも多い。
■展覧会
美の行為 ― 装飾:自然と調和した存在の象徴
会期 11月17日―12月3日 11時―19時
会場 (PLACE) by method 東京都渋谷区東1-3-1 カミニート14号
主催 在日スイス大使館 / Vitality.Swiss
協賛 USM U. シェアラー・ソンズ株式会社、クリエーション バウマン ジャパン
助成 サカエ・シュトゥンツィ基金
協力 クリエイティブ レジデンシー 有田、李荘窯、株式会社メソッド、スイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団、多摩美術大学