江戸から未来の東京へ「東京最高の名物料理レストランウィーク2026」前夜祭

2026年1月14日、東京・八重洲のレストラン「8go」にて、「江戸から未来の東京へ 東京最高の名物料理レストランウィーク2026 前夜祭」が開催されました。

このイベントは、クレジットカード ダイナースクラブ、25年の歴史を誇るレストランガイド『東京最高のレストラン』(発行:ぴあ株式会社)が主催する、東京を代表する食の祭典の開催を前に行われたもの。

当日は、グルメ評論家やメディア関係者、インフルエンサーなどが招かれ、イベントの概要発表に加え、参加レストランによる料理の試食が行われました。

発表会では、『東京最高のレストラン』編集長の大木淳夫氏が登壇しました。「名物料理とは、単に美味しいだけでなく、土地や時代、料理人の思想が凝縮された存在」と語り、「江戸から現代、そして未来へと続く東京の食文化を、レストランウィークを通して体感してほしい」と、本企画に込めた想いを語りました。

続いて、協賛各社からの挨拶が行われ、東京の食文化を国内外へ発信していく意義や、持続可能な飲食の未来についても言及がありました。

発表会後に行われた前夜祭では、「江戸前 芝浜」と「8go」の2店舗による料理がビュッフェ形式で提供されました。

「江戸前 芝浜」は、江戸料理を正面から掲げる希少な和食店。鰹節のみで引いた出汁、米麹をふんだんに使った江戸甘味噌など、資料を丹念に紐解きながら再現された江戸の味は、華美な演出に頼らず、噛みしめるほどに旨みが広がる一皿です。

芝エビやシロギスといった江戸前の食材を用いた料理からは、当時の食文化や暮らしぶりまでもが想像され、「過去を味わう」体験となりました。

一方の「8go」は、ミシュラン一つ星・グリーンスターを獲得したレストラン「nôl」でディレクターを務めた野田達也シェフがプロデュースする、未来志向のレストラン。

「調和と循環」をテーマにした料理は、環境や社会への配慮を感じさせつつも軽やかな印象。驚きと楽しさを備えた味わいが、“未来の名物料理”というコンセプトを確かな美味しさとして印象づけ、試食に人が集まっていました。

「東京最高の名物料理レストランウィーク2026」は、2026年1月19日から2月17日まで開催中。
都内約110店のレストランが参加し、各店が誇る“名物料理”を特別メニューとして提供します。江戸から未来へと連なる東京の食の系譜を、一ヶ月かけて体験できる本イベントです。前夜祭は、その多様性と可能性を凝縮した、期待感あふれるイベントとなりました。皆さんも是非訪れてみてください。

前夜祭で提供された料理
【江戸料理|江戸前 芝浜】
■ 真鰯の鮓煮(すしに)
豆腐百珍造船にも記された江戸料理。醤油や味醂、酒などで甘辛く炊き上げた一品で、おからとともに煮ることで鰯の旨みと脂が移り、滋味深い味わいに。江戸庶民に親しまれた“おかず”として人気があり、鰯とおからをかさ増しして満腹にする、江戸時代の知恵が詰まった料理。すし詰め状態の語源ともいわれている。

■ 反本丸(へんぽんがん)※牛肉味噌漬け
仏教の教えにより獣肉食が禁じられていた時代、現在の滋賀県彦根藩で「薬」として滋養目的で大名に献上していた肉料理。反本丸の「丸」は正露丸と同じく「薬」を意味する。鹿は「もみじ」、猪は「山くじら」、馬は「さくら」など隠語を使って食べられていた。

■ 豆腐の味噌漬け
『豆腐百珍』掲載料理。水切りした豆腐を江戸味噌に漬けた保存食。クリームチーズのような食感が特徴。

■ 八杯豆腐(はちはいどうふ)
豆腐百珍「妙品」に掲載。江戸のおかず番付で大関に選ばれた人気料理。水6・醤油1・酒1を合わせた八杯で煮ることから名付けられ、現代では鯛出汁を加えて旨みを強化。

■ まぐろきらずまぶし
「きらず」は「おから」のこと。江戸の人々は、「おから」が「財布が空になる」を連想させるとして避け、金運が途切れないようにと願いを込めて「きらず」と呼ぶようになりました。そぎ切りにした鮪を酢で洗い、煎ったおからを味付けしてまぶした、町人文化の知恵が生きた一品。

■ ねぎま鍋
保存技術が乏しかった江戸時代、新鮮なうちに〆る、洗う、漬ける工夫から生まれた料理。鮪と葱を合わせ、無駄なく美味しく食べる江戸前料理の象徴。

■ 嶺岡豆腐(みねおかどうふ)
千葉県の嶺岡牧場で作られた豆腐。徳川吉宗公がインドから白牛3頭を迎え入れ、日本で酪農が始まったことを背景に生まれました。胡麻豆腐を作る要領で葛粉を用いて仕立てられ、吉宗公のお気に入りであったと伝えられています。「江戸のパンナコッタ」とも呼びたいなめらかな口当たりの一品。

【未来料理|8go】
■大都市のサラダ
コンテナ型の人工水耕栽培で育てたレタスやハーブを、野菜の端材から作った自家製ベジタブルシートで包んだ一皿。場所や気候に左右されない都市型農業の可能性を示し、FoodTechが切り拓く地産地消の未来を体現しています。

■ 海藻のつくね
合同会社シーベジタブルから届く“とさかのり”と“みりん”を使用。とさかのりは、海を再生しながら育つリジェネラティブな食材として注目されています。おからとこんにゃくをベースにしたつくね生地や、InakaBLUEから届く資源管理されたReTako(蛸足)を組み合わせ、海洋生態系と食文化の共存を表現した一品です。

■ 再生の原木椎茸
熊本県菊池市で循環型に育てられた原木椎茸。10年かけて育てた原木や、腐葉土として森に還る副産物など、資源を無駄なく活かす仕組みの中で育まれています。清らかな水と土壌が生む、香り高く旨味豊かな味わいが印象的。

■ 森のチョウザメ
キャビア採取後に廃棄されがちだったチョウザメに、新たな価値を見出した魚料理。ビタミンDやカルノシン、オメガ 6 脂肪酸を豊富に含む栄養価の高さも注目され、未活用食材を未来へつなぐ取り組みの象徴となっています。

■ サスティナブル和牛
島根県奥出雲の熟豊ファームで育てられた経産和牛を、長期再肥育によって新たな食材へと昇華。副産物飼料の活用により環境負荷を大幅に削減し、アニマルウェルフェアにも配慮した、次世代の畜産モデルを示しています。

■ どんぐりのフラン
日本各地の森から届くどんぐりを使い、丁寧な下処理で現代的な味わいに仕立てたデザート。かつて人々の食を支えた素材を通して、日本の風土と眠れる食文化を呼び起こします。

■ カカオのデクリネゾン
環境や労働に配慮した生産者からのダイレクトトレードによるカカオを使用。原種保全や食文化の継承に加え、貧困や食糧問題といった社会課題にも向き合う姿勢を、カカオを通して表現しています。

■ 東京最高の名物料理レストランウィーク2026

■ 協賛企業のダイナースクラブについて
クレジットカード会社ですが、その起源は「食を楽しむ人=ダイナー」のためのクラブ。
東京最高の名物料理レストランウィークのほかにも、フランス レストランウィーク、銀座レストランウィークに協賛しています。
https://www.diners.co.jp/ja/pvt.html

関連記事一覧