Asian Art Award 2017 supported by Warehouse TERRADA 大賞山城知佳子氏、特別賞谷口暁彦氏に決定!
本年創設された現代アートアワード「Asian Art Award 2017 supported by Warehouse TERRADA」(主催:一般社団法人 アート東京、特別協賛:寺田倉庫、協力:文化庁)は、9月27日(水)に、大賞受賞者と特別賞受賞者を決定した。
本アワードは、アジアを起点に今後、国際的な活躍が期待されるアーティストの支援を目的として創設された現代アートアワード。選考委員5名が、5組のファイナリスト選出し、ファイナリスト展にてそれぞれ新作・準新作を発表、シンガポール・中国から来日した専門家を含む審査員らが、同日、展示作品の最終審査を行った。
同日に行われた審査会では、日本を拠点に活動をしているアーティストをアジア圏のアートシーンに紹介すること、また日本の社会状況あるいは文化状況に対して批評的な視点でアプローチし表象していること、またそれが日本のみならず日本を取り巻くアジア圏について新しい視点や洞察を与えていることを軸に作品の評価が行われた。
最終審査の結果、山城知佳子氏が大賞に選ばれ、賞金とトロフィー(工業デザイナー川本尚毅氏制作)が授与された。山城氏には、賞金の他に、副賞としてシンガポール(日程:2018年1月)と「アートフェア東京2018」日程:2018年3月8日- 11日、場所:東京国際フォーラム)会場内にて作品発表の機会が提供される。
大賞受賞が決まり山城氏は、「三面のスクリーンで構成された映像インスタレーション《土の人》を解体し、一面のスクリーンで成り立つ作品へと再構築することで、映画として通用する作品に生まれ変わらせることにチャレンジすることができました。映画は、より多くの人々に思いを届けることができるメディアですし、『この作品を通じてアジアの方々と繋がって行きたい』と思いを込めて作ったので、思いが実現し大変嬉しく思っています」と語った。
特別賞は谷口暁彦氏が受賞。審査の詳細については、公式webサイトにて公開される。(URL: http://asianartaward.com/ ※10月中旬予定) また、本アワードの目的である若手作家育成のために、アーティスト、ロン・イングリッシュ氏がアートフェア東京2017会場で公開制作した作品の売上げの一部が寄付された。(協力: JPS GALLERY HONG KONG)
なお、ファイナリスト5名による「Asian Art Award 2017 supported by Warehouse TERRADA –ファイナスト展」は10月29日(日)までTERRADA ART COMPLEX(東京都品川区東品川1-33-10)で開催されている。
【Asian Art Award 2017 supported by Warehouse TERRADA受賞者】
大賞 山城知佳子(ヤマシロ チカコ)
特別賞 谷口暁彦 (タニグチ アキヒコ)
山城知佳子
<略歴>
1976年 沖縄生まれ / 沖縄在住
映像や写真を使い、出生地である沖縄の地政学的なあり方を巡って映像作品を発表してきた。近年では海外の物語や歴史を引用し、沖縄の問題を沖縄の問題としてだけではなく、世界中に偏在する、強国に抑圧されている弱きものの語りとして展開している。近年「From Generation to Generation: Inherited Memory and Contemporary Art」(ユダヤ現代美術館/アメリカ、2016-17)「あいちトリエンナーレ2016」(旧明治屋栄ビル/愛知) などの展覧会に参加。
谷口暁彦
<略歴>
1983年 埼玉県生まれ / 埼玉県在住
メディア・アート、ネット・アート、映像、彫刻など、さまざまな形態で作品を発表する。また、渡邉朋也とともに、新宿・思い出横丁で発見されたメディア・アートにまつわるエフェメラルでアンフォルメルなコミュニティ、「思い出横丁情報科学芸術アカデミー」の一員としても活動する。近年、「オープン・スペース 2016」(NTT インターコミュニケーションセンター)「SeMA Biennale Mediacity Seoul 2016」(ソウル市立美術館)などの展覧会に参加。